今回から数回に分けてエンジンのオーバーホールについてご紹介させていただきます。良いタイミングで77年ショベルのオーバーホール依頼が入りました。

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今回のエンジンのオーナーさんは約10年前に車両を購入されたのですが、その当時から極端な圧縮の低さとスプロケットシャフトシールからのオイル漏れの症状を抱えていました。それを踏まえたうえで問題点の究明、必要な部品と作業の把握。結果、下の画像の部品がアウトな部品達です。

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圧縮の低い原因はこいつです。なんとくたびれ果てた1977年式純正ピストンが出てきました。スカート方向(車体またいで前後方向)はそれなりの消耗でしたが、ピン方向(左右方向)は真っ黒です。これはピストンの上で起きた燃焼ガスがピストンリングを通り越して下へ逃げた跡を示しています。つまりはキックを踏んでもスカスカな踏み応えになる・・・というのがイメージできるかと思います。オーバーサイズピストンに交換、シリンダーのボーリング・ホーニングとなります。

左からクランクピン(C/P)・ピニオンシャフト(P/S)・スプロケットシャフト(S/S)。フライホイールに接続されるシャフトです。このシャフトの状態でクランクの精度が大きく左右されます。クランクの芯出しはP/SとS/Sの振れが0が理想、3/100ミリまでが許容範囲といった感じです。今回のクランクは両側10/100ミリ振れていました。測定の結果全て交換です。

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タペットブロックの内径が広がってクリアランスが大きめだったので交換。1ヶ所のみタッペトも交換。ここのクリアランスが過大になると特に油圧タペットを使用する場合、油圧が逃げてタペット音(カチカチ音)発生の原因になりますのでシビアにチェックを入れます。

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オイルポンプは送り側に多数傷があるので交換。オイルポンプはショベル以前のエンジンであればだいたい傷があって交換のケースが多いです。ここは人間で言うところの心臓にあたります・・・なんてお客様に説明したりしますが。オイルポンプはオーバーホールの際には交換を強くおすすめしたい部品です。

大まかな部分はこんな感じで結論としてはほぼ通常通りのオーバーホールとなります。画像はありませんがヘッドもバルブ周りがアウトでした。このあとシリンダーのボーリング・ヘッドのバルブ周りの加工・その他の依頼となります。Part2ではロアーエンド(腰下)の作業をご紹介したいと思います。

2013/3/10過去のブログより