エンジン修理:48年パンヘッド(Part 2)

だいぶ前に紹介した48年パンヘッドのエンジン修理ですが、エンジンケースの手配が遅れていてまだ終わっていません。寛大なオーナーさんはあくまでレプリカを希望されているので文句の一つも言わず待ち続けてくれている、そんな状況です。オーナーさんには大変恐縮です・・・。早くしてくれよ、手配先とメーカーさんよぉ。

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ばらして全体を把握した後にパーツの手配と外注に依頼する準備です。

ピストンはクリアランス過大の為にピストン交換・ボーリングです。今回はV-TWIN・鋳造・スタンダードコンプレッションのピストン。少々バリがあったのでバリ取りついでに軽くピストントップを磨いておきました。多少はカーボンが蓄積しにくくなるんじゃないかなと・・・。最近の安価なピストンも精度・重量等、比較的安定しているのでメーカーは特にこだわりはありません。ここでは精度の高い必要最小限のボーリング・耐久性に優れたコーティング・そしてオーナーさんの乗り方に適したピストンの材質と圧縮比の選択が重要です。高価で極端にハイコンプな鍛造ピストンがズタズタになっているのを過去に何回か見てきました。適材適所という言葉がぴったりですね。

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ロッカーアーム。見てのとおり左が入っていた純正。シャフトが痩せつつ焼けています。64年間おつかれさま。

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パンヘッドのロッカーアームはプッシュロッドの受けに穴が開いていて、ここから送り側のオイルが出てきます。ここは純正プッシュロッド使用の場合は意味があるのですが今回は社外プッシュロッドを使用するので穴をふさぎます。おそらくふさがなくても問題はないとは思いますが油圧が逃げる原因になられてはこまるので念のため。

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4ヵ所新品のロッカーアームを仮組み。見事に4ヵ所ガタガタです。だいたいいつもこんな感じです。ここは色々な加工を施してクリアランスを最適にします。パンヘッドのメカノイズはここの状態で大きく左右されている気がします。

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ヘッドはバルブ関係が全てアウトでした。そしてクラック・・・。さてどうするかな。

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在庫の部品で揃ったのでとりあえずコンロッドのビッグエンドをリビルド。クランクピンは偏磨耗していたのでJIMS製に交換。レースの状態は良かったので単純なラッピングで済みました。

ということで今回はシリンダーのボーリング・シリンダーヘッド加工一式・ロッカーアーム加工一式を外注で依頼となりました。

また適当なタイミングで経過を更新します。次までにケース来てるといいけど・・・。

2013/1/22過去のブログより